❇️片暉の残照❇️
第14章 赤い魔の手
俺はそのまま――――…
知らない男たちに捕まったまま…会場を出ていった。
主様――――…
さようなら。
きっと――――俺は二度と…貴女の元へは…戻れない。
王宮の晩餐会で、公爵令嬢を拉致したのだ処刑は免れないだろう…。
主の――――幼稚な頼みだと…
俺だって
分かっていた――――…
でも、彼女の望みを全て叶えてあげたかった。
俺の出来る範囲なら――――何でも…する。
“死ね”と言われたら――――死ぬし
“消せ”と言われたら――――消してやる!
ハジロ嬢には悪いが…
俺は――――――――あんたに同情はしない…
だって…
俺は――――……化け物だから…。