❇️片暉の残照❇️
第14章 赤い魔の手
――――あれから…なん時間過ぎただろう…。
俺はまだ、冷たく暗い牢獄にいる…。
主が元気かどうか――――…気にはなるが…
黙って刑を待っている。
「よぅ――――お前がテイス嬢を拉致の主犯は…」
牢獄のベッドに座っていた俺は声の主に少しだけ眉を動かす。
「――――サンドラ…様…」
それは主が恋い焦がれ――――…一生側にいたいと考えていた人物…。
「――――拉致するかもしれないと…見張っていたんじゃ…無いんですか?」
彼は牢獄の前に椅子を置き座ると…俺と同じ目線にし…ニヤリと笑った。
「――――お前が…彼女と入って来た時から…目はつけていたよ…」
彼の不気味な笑いかたにゾクリと背筋が凍る――――…。