❇️片暉の残照❇️
第3章 不思議な娘
しかし、ここの温室で見るハーブはどれも立派で種類も多く…住んでいた裏山よりも品数は多いような気がした。
ここでなら、図鑑で見た珍しいハーブも栽培可能かもしれない!
ハーブの種類は無限だと言うから…夢が広がる!
「あっ…これ、ケーナ?」
「ケーナ…ですか?」
私は、ハーブの隣にちょこんと生えていた草を見つけるとテンションが上がった。
「ケーナは、料理に使うととても深みのある味が出せるんですよ?眼精疲労にも役立ちます」
「まぁ…この草に…そんな効果があるなんて」
――――草って…これも一応ハーブなんだけど…
「もしかして、これって雑草扱い?」
「――――そ、そうみたいですね?ここに処分された“ケーナ”が沢山ありますから…」
よく見ると、ハーブの周りの雑草を引っこ抜いたと思われる雑草たちの山のなかにケーナも多く含まれていた。
「――――あ…本当だ…///あっ、“バジレ”の葉も…勿体ない!」
私は雑草の中から“バジレ”と言う葉を拾うとニコルに見せた!