❇️片暉の残照❇️
第14章 赤い魔の手
「――――そうだな…だが…無下にはしないぞ?…俺の事を命に変えても守ろうとする…者たちだからな…」
そう言うとサンドラ様はフッと笑い…後ろを気にした。
それに気がついたのか……
後ろに待機していた従者や看守兵が穏やかな表情を見せる――――。
「やめろ…――――使用人は…使用人らしく……主の駒となり……動くものだ…、人間ではないと……だから…だから…そんな穏やかな表情をするな…お前たちは…人間じゃ…ない…んだから…」
脱力感がどっと身体と精神に覆い被さってきた…
もうダメだ――――…俺は…
「――――ハハハハ…俺は…ただ…」
愛する主のために――――…
俺は化け物になったのに――――…
怪物になった…主の異常な精神を理解し…望みを叶えたかった…
だけなのに……