❇️片暉の残照❇️
第14章 赤い魔の手
それから…すぐに…
俺と賊の処分が決まった――――…
【処刑】
人知れず――――…王都から離れた場所で行われるそうだ…
場所は知らない――――…知らされない…
それまで…
俺は――――独り…牢獄で…
死を待つ。
そんなある日…
独りの少年が俺の牢を訪ねて来た――――。
「……やぁ…元気――――か?」
「・・・・」
粗末なベッドに座り…壁を眺めていた俺に話しかける少年は見覚えがあった――――…。
「――――テイス嬢の…執事少年か…」
そこにいたのは…テイス嬢の執事をしている、“キロ”とか言う…少年だった。
「――――その節は…首絞め…ど~も、不覚にも落ちまった…」
「十分…抵抗していたじゃないか……一歩及ばずって感じだったがね…」
少年は俺をまっすぐに見て――――睨み続ける。
「テイス様に――――…あんなひどい事をして…俺はお前らを許さない…」
睨みながら…少年は悔しそうに手を固く握る。
「――――許さないも…何も…俺は捕まり――――罰を受ける…あっという間に処刑台だ…」
「笑うな!――――処刑は当たり前だ!」
ふざけて言ったのが気にくわなかったのか…少年は怒りをぶつけるように俺に吠える。