❇️片暉の残照❇️
第15章 涙の夜
サンドラ様がテイス様に声をかけ…離れ際に…
「犯人が分かったぞ――――しかも、ここの会場にいる…どうする?俺の護衛をつけるか?それとも、会を抜けるか?」
その時のテイス様の顔色は…青白く――――ひと目で恐怖を感じていたのが分かった…。
しかし、テイス様は…
「だ…大丈夫です。逆に…ここで終わらせることができるかもしれません……」
と、背筋を伸ばした!
そして、サンドラ様も我々も息を飲む…提案に動揺した。
まさか、自分を囮に――――犯人を捕まえよう…だなんて思いもよらないことを言い出すなんて!
私は…テイス様に助言できる立場ではない…ただのメイドである――――…しかし、自分を囮に使用とするテイス様の腕を掴んでいた…。