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❇️片暉の残照❇️

第15章 涙の夜


賊も主犯の男も捕まり――――…


事件は解決したけど…。


心臓が止まるかと思った…。



それに――――キロだって…危なかったのだと聞く。


テイス様と同様に一階に投げ落とされ…運ばれてきた時は…足の震えが止まらなかった!


テイス様を守って――――…



嫌な事ばかり考えてしまう!



しかし、私の悪い考えは医師の診察で下記消された。


「首を押さえられたみたいだから――――…当分は首が痛いかも知れないが…すぐに痛みは引くから……大丈夫、そんな顔をしなくてもいいよ」


不安が顔に出ていたのでしょうか…


私はキロを見てくれた医師に励まされていた。


テイス様もキロも気を失い目を覚まさないが――――…どちらも命に別状はなく…


私は涙をやっと流せた。





「――――ぅ…う――――…っ、ぅ…」


「…ニ…コル?」



ハッ!と顔を上げると――――キロが薄目を開けて…こちらを見ていた……。



「///キ――――ロ……///キロ!」


私は目を覚ましたキロに近づくと溢れる涙をそのままにキロの手を握った!


「テイス…様…は?」

「大丈夫――――!大丈夫!今、隣の部屋で医師の方々が見てくれてる!」


「そ…うか――――…、良かった…。目の前で…倒れるテイス様を見ているしかなくて……悔しくて…悔しくて…」


「///うん――――うん!キロ…キロ……あなたも…テイス様も無事で良かった」


私は、まだボーっとしているキロの手を強く握り涙を流した!



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