❇️片暉の残照❇️
第3章 不思議な娘
「あと、このハーブとこのハーブはこのまま細かく刻みオリーブオイルと混ぜてペースト状にしたものをパン生地に混ぜて焼くととても美味しくなるわよ?不思議と柔らかいパンが出来るの――――今日のお昼にでも試してみてはどうでしょうか?」
一緒に収穫したフレッシュハーブはパンに混ぜてもらえないかと頼んでみる。
「こ、この草を…ですか?」
「はい。できますか?」
すると、渋々ではあるが――――…料理長が「かしこまりました」と頭を下げた。
なんか――――…余計なことをしてしまったのでは…と、少しだけ気落ちしてしまった。
そりゃぁ、そうである…
いきなり公爵家の子供となった…身元不明の怪しい眼帯の娘の実験に付き合わされているようなものだ…。
しかも、雑草を食べたいと言い出したのだ――――警戒するのは当たり前である。