❇️片暉の残照❇️
第16章 子守唄とバラの秘密
ポルギはテイスの部屋を出ると――――その足で王の元へと向かった!
王宮の入りくんだ廊下の奥に王の寝室はある。
ポルギは足早に寝室に着くと、遠慮ぎみにノックをした。
「――――…ポルギか?」
「はい、レンティス様…よろしいでしょうか?」
「――――入れ」
“入れ”と聞こえてから、数秒待ってから部屋の扉を開けると――――…床から立ち上がろうとしている王にポルギは頭を下げた。
「夜分遅くに――――申し訳こざいません」
「いいよ――――今日は、疲れているはずなのに…眠くなくて。
で――――テイス嬢の様子はどうだった?毒…ではなかったか?ただの疲労だといいのだが…」
「――――そ、それは…顔色から見て…毒関係では無いかと…しかし、首の後ろに赤い炎症が見られました…もしかして、襲われたとか…」
「サンドラが知っていそうだな――――…」
――――確かに…サンドラ様の様子が終盤辺りで見当たらなかったのは確かである。