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❇️片暉の残照❇️

第16章 子守唄とバラの秘密


「で――――…何かあったのか?慌てているように見えるのだが?」



ポルギは王に自分の気持ちが見透かされているようで驚く。


ポルギはレンティスの執事になるためにいろんな事を教え込まれた。


その中でもポーカーフェイスは得意で、周りの従者から“無表情の知恵”と呼ばれている。


「わ…私はそんなにも顔に出ておりましたか?」


「ああ…珍しいほどに――――…何があった?」



王は寝巻きの上にガウンを羽織ると…暖炉の側にあるソファに移動し…バラの花びらが浮かぶ水をコップに注ぎ――――ポルギに渡した。




「苦き――――水…むらさき…」




「ん?――――透明だ…毒など入ってないぞ?物騒な」



ポルギはテイスが何度も繰り返し歌っていた子守唄の一節を口にする…。


「そ、そう――――…レンティス王…

この…バラ水の事は誰にも言ってはおりませんよね?」


渡された水を見つめていたと思ったら、急に喋りだすポルギにレンティスは目を丸くする。


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