❇️片暉の残照❇️
第1章 王都からの訪問者
「村に認知されていない?…テイス殿はティアナ様と二人でこちらに…何年も?」
「はい――――、」
私は訪ねてきた紳士を庭のウッドテーブルに案内し、お茶の準備をする。
家の中に案内したいところだが、見た目平屋の小屋である…御客様を通せるほど綺麗でもなければ広くもない…、庭が一番広いと考えそうした。
「そ、そうでしたか――――村からも離れたこの場所で…お二人で…」
「でも、驚きました――――母を訪ねて来る方がいるなんて///天涯孤独だと言っていたので…」
私は、準備したお茶を出すと紳士の前に置いた。
「――――私は…ずーっと、ティアナ様を探していたんです……
彼女は私を助けてくれた…女神様ですから…」
母の事を“女神”と言うその紳士は…私の出したお茶の香りに「ほぉ…ティアナ様のお茶ですね…懐かしい」と、頬を緩ませた。