❇️片暉の残照❇️
第3章 不思議な娘
パンが焼き上がるまで、私は厨房の皆さんとおやつを食べることにした。
しかし、皆さん私に気を使ってか会話が進まない――――。
しかし、そんな沈黙は即席のハーブティが吹っ飛ばしてくれた。
「///うゎ――――…このハーブティ…美味しいですね!」
「///良かったです。母が教えてくれたものなのですが……皆さんのお口にあって良かったです」
「お嬢様はハーブに詳しいのですか?」
「///少しだけ――――…でも、温室に沢山のハーブがあってうれしいです」
すると、食用として使えるのならもっと活用したいと話が出てきた。
「お嬢様――――パンが焼けました!」
コックの一人が釜から出来立てのパンを取り出した!
すると、風味豊かな香りが厨房いっぱに広がり「わぁ~…」と言うため息が何処からともなく聞こえてきた。