❇️片暉の残照❇️
第18章 疑念の春
元に、王母室は王宮の中にあるらしいが――――…レンティス王の母君は亡くなられており今は誰も使っていない。
「まぁ――――“王母”はこの国の王の母だから…それなりの待遇ではあるが…王や王妃よりは位は低い…。“聖母”と言われても――――王妃が子を成せば…更に位は低く立場も弱くなる―――」
お兄様の言葉にロミ様の表情が険しくなる。
「あの人は――――…欲深くて…怖い人だから…自分の地位を高め…全てを手にしたいんだろうけど…」
その言葉に何故か私の背筋がピリッと震えた。
「で、でも――――…ロミ様の義母様が…住まわれる場所じゃないかも知れませんよ?」
私は、場を和ませれたらとミルクティを飲み干す。
「――――テイス?どういう意味?」
「だって――――候補者は沢山いるし!それに、レンティス王って若いでしょ?お妃様をもらって…お子さまでも出来たら……って、未来は分からないって事です!
それに――――、植物園の中で新種の珍しい何かが発見されるかも!
植物園事態が保護下に置かれるかも!」
私は、お兄様とロミ様にクッキーを渡すと笑って見せた!
「プッ!ハハハハハ!そうかも!案外――――…思い通りに事は進まないかもしれない!」
ロミ様は手にしたクッキーを口に入れると!笑いながら紅茶を飲み干した!