❇️片暉の残照❇️
第18章 疑念の春
「明日、研究所に行くので――――植物園の話を聞いて見ますね!
新種の発見!頑張ります!へへへへ!」
そう言って立ち上がる私は、ニコルにお茶のお代わりを頼んだ!
――――もちろん…ミルクティを!
その後、お兄様とロミ様もお茶をお代わりして話をした――――。
つかの間の休憩を各々楽しみ、私たちは解散した。
――――――――…
テイスとのお茶を終えて、公務に戻る二人は――――身も心も暖まり心なしか足取りが軽かった。
「相変わらず――――面白い娘だよね、テイスって」
ロミは隣を歩く親友のメルトに声をかける。
「面白いって――――…誉めてるのか?」
「誉めてるんだよ。あんなことがあったのに…いつも元気で見習わないと」
王の素質を持つと言われている黄金色の髪と瞳を持つロミだったが、圧倒的なカリスマ的存在のレンティス王を思うと――――自分は相応しくないのでは?と、感じていた。
「そうだな――――テイスはお前と違って象のような心臓を持ち合わせているかな…」
「誰が、蚤の心臓だよ…」
「そこまでは言ってないですよ?ロミ様!」
嫌味っぽく、いつも着けない“様”を強調して言うメルトを少し睨むと、ロミは少し笑った。
「お母様が生きていたら――――…あの植物園は…もっと…生き生きとした場所になったかもしれないと……思うと――――ちょっとな…」