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❇️片暉の残照❇️

第19章 赤と青の欲望


「何て事!あの――――役立たず!あの娘を消すことも出来ず!あげくの果てにはわたくしにこんな屈辱を!早く死刑になってしまえばいいのよ!」


インギルは怒鳴り散らし近くにいたメイドの顔に熱い紅茶の入ったカップを投げつけた!



「キャッ!」
「うるさい!もう一杯かけられたいの!」


熱さと驚きで悲鳴を上げたメイドを睨むとインギルは床に伏せ顔を手で覆うメイドの腹を蹴り上げた!


「――――グッ…ふぁがぁ!」


インギルは悲鳴を我慢するメイドを上から見下ろしながら怒りをメイドにぶつけた!


――――ドスッ!ドガッ!ガッグッカッグ!


何度もメイドを踏みつけると――――メイドはウンともスンとも言わなくなった。



「――――いいわ…今だけ…なのよね?お父様…私は、サンドラ様の妻となり後々――――王母となるのですから…これぐらい……我慢いたします」


インギルはドレスの裾を直すといつもの通りスッと背筋を伸ばし部屋を出ていった。


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