❇️片暉の残照❇️
第19章 赤と青の欲望
インギルはその場で取り押さえられ――――…乱暴に門から出された!
「ハーパー!お前――――お前…」
サンドラのためにあつらえたドレスは地面に放り出されたことにより泥やホコリ…ましてや乾いた馬糞などが付着し…酷く汚れた――――。
だが、インギルはハーパーの言葉や態度……裏切られたショックと怒りで腸が煮えくり返っていた!
王宮に消えていくハーパーの後ろ姿を睨み付け――――インギルは頭をかきむしり…馬車へと乗り込み…来た道を戻った!
「許せない――――許せない…許せない…」
この時――――インギルの顔は誰もが“恐ろしい”と…思うほどだった。