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❇️片暉の残照❇️

第19章 赤と青の欲望


インギルが馬車で帰ったと報告を受けたハーパーはその足で大臣の元へと向かった。


「そうか――――…やっと…ご自分の立場を理解されたのかな?“王色撤廃派”を調子付かせた結果がこれだ……しかし、今の王は何を考えているのやら――――」


「フフフ――――何を考えているのか…と、言うなら大臣貴方もですわ」


大臣の部屋では、普段着だと言うのに着飾った王弟妃が優雅にお茶を飲んでいた。



「王弟妃様――――…この度は私ハーパー・イヤルダに大役をお命じ頂き光栄です」


ハーパーは、床に膝をつき頭を下げるとレミの靴に唇をつけた。



「あら、可愛いく躾のなっている部下だこと――――…インギルと何度も寝たみたいだけど…お仕事大変だったわね…」



「はい――――…本来なら…抱かれる方を喜びとする身体ですから…今回の仕事は骨が折れました…」


そう言うと、ハーパーは大臣にチラリと視線を向けた。


その目の動きにレミはクスっと笑った。


「そう…それは、さぞ苦痛だったのでは?彼のストレスを発散させるのに時間を費やしそうね…フフフ」



大臣とハーパーの関係を面白そうに話すレミは、体格のいい彼が初老に差し掛かった白髪混じりの大臣に組み敷かれる姿を想像すると笑えてくる。




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