❇️片暉の残照❇️
第20章 母のバラ
その足で植物園に向かいたかったが――――…
キロやニコルに止められ…私は屋敷のなかに戻された。
植物園が気になり振り替えるも…
私の視界に入ってきたのは…火災の被害に遭わぬよう必死に奮闘していた使用人達の疲れきった様子だった。
「――――植物園はすごく…気になるけど…今は、皆よ…。
ニコル、厨房で暖かいスープやお茶を準備しましょう……皆疲れているし、濡れているわ…」
「かしこまりました――――キロ、タオルを皆に…私は厨房で動ける者と準備いたします」
私の指示にキロとニコルは動いてくれた。
「///テイス――――大丈夫?まぁ…ずぶ濡れ…」
お母様とお父様は使用人に指示を出していたのか緊縛した表情で私を抱き締めた!
「キロが…貴方が皆と一緒に水まきをしていると聞いて――――…心臓が止まるかと思ったわ!でも、助かったわ――――裏庭や工具小屋の方まで指示が伝わらず…そっちはテイスが皆を連れて対策してくれたお陰で大惨事にならずにすんだ!」