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❇️片暉の残照❇️

第20章 母のバラ


キロも心配そうに私を見ている…。



「あ…うん――――…ごめんなさい…ちゃんと支度をするから…ニコル、キロ手伝って?」


落ち着いた私にホッとしたのか、キロは深々と頭を下げた。



それから、時間をかけて髪を乾かし、少し厚手のワンピースをニコルが選び私に着せてくれた。


キロは、植物園に行くための手配と、お母様にお伺いを立ててくれていた。


「春とは言うものの…まだ、日の出すぐの時間帯は寒いですから無理はしないで?テイスは率先して水運びもしたと聞いています…自分が疲れていることを忘れないで――――…」


支度を済ませお母様に植物園へ行く事を告げると、そう言われた。


心配そうな顔だったが、キロが説得してくれたのだろう…あきらめ顔でもあった。





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