
❇️片暉の残照❇️
第20章 母のバラ
「ここは…被害が大きいですね…」
ニコルも辺りを見渡しながらいまだに燻った屋敷の対応に終われている使用人たちに目を反らす。
「あの角を曲がったら――――植物園です」
キロに言われ気持ちが焦る…
「早く…――――バラを…」
と、二人より先に角を曲がる――――…
が、そこには……
黒く焼け焦げ…崩れ落ちた――――…
植物園の無惨な姿があった…。
「――――うそ…」
駆け寄ろうと一歩足を出した所に…瓦礫があり…私は大きく前に転んだ!
「!テイス様――――!」
慌ててニコルが駆け寄る声がしたが、私は素早く立ちあがり植物園へと駆け出した!
