❇️片暉の残照❇️
第20章 母のバラ
「応接室に――――王宮医を…」
使用人に用件を伝えるとポルギさんは私を連れて応接室に向かった。
「…あの――――救急箱でいいですよ?こんなかすり傷に王宮医なんて…」
「小傷を侮っては行けませんよ――――、あの瓦礫の中で転んだのなら…なおさら、用心に越したことはない……手のひら以外はないですか?膝小僧とかは?ニコル――――確認してください」
「あっ、はい!」
ポルギさんに言われ、ニコルは私の膝小僧をワンピースを少し上げて確認した。
「!テイス様――――!膝小僧も擦りむいておりますよ!あぁ…血がワンピースに…痛くないのですか?」
ニコルに言われて膝小僧を見ると、手のひらよりも出血していて自分でも驚いた!