❇️片暉の残照❇️
第20章 母のバラ
「ポルギさん…」
頭を優しく撫でられ私は涙をグッとこらえた――――…と、次の瞬間応接室の扉が勢いよく開いた!
「テイス!!!」
すごい音に驚くも――――、勢いよく入ってきたのはお父様とお兄様だった!
「お父様!お兄様――――!」
火災の中…王宮に向かったお兄様とお父様に、私は手を伸ばした!
「お兄様――――!ロミ様は大丈夫でしたか!?皆さんは!」
「テイス!怪我をしたと聞いたが――――大丈夫か!?」
お父様はポルギさんに支えられなから立つ私を抱きかかえた!
「植物園の前で――――転んでしまったんです…、擦りむいただけなので心配しないで…///それより――――お父様…バラが…」
「あぁ…特別室で管理していた植物園のバラは全滅だ……一応、王宮にもストックはあるが、春の式典で使う予定にしていたバラもあったから――――…」