❇️片暉の残照❇️
第20章 母のバラ
「――――ハジロ公爵…バラの事は気にするな……それよりテイス嬢大丈夫かい?」
慌てて入ってきたお兄様とお父様の後ろから、レンティス王とロミ様が顔を出す。
「レンティス王――――!わざわざ…すみません」
私はお父様の抱っこから下ろしてもらいお辞儀をする…も、膝の怪我でぎこちない。
「先ほど、王宮医から聞いたが…ワンピースに血が着いたとか――――…替えがないのならこちらを着てはくれないだろうか?」
そう言うと、レンティス王はロミ様に視線を落とす。
「――――リボンと…この間のクッキーのお礼にと…ワンピースを///プレゼントしようと用意していたんだ……もらってくれないだろうか?」
少し、恥ずかしそうに差し出された衣装ケースに私はお兄様を見る。
すると、お兄様は知らなかった見たいで…驚いていたが…ワンピースの血は気になっていたらしく…「ありがたく着させていただきなさい」と、衣装ケースを受けとると…ニコルに渡した。