❇️片暉の残照❇️
第21章 嫉妬の炎
「植物園は残念だったが…死者が一人もでなかったことは救いだ」
レンティス王はホッとした様子で深くソファにもたれ掛かった。
「しかし、ハーパー様宛の荷物が原因となると…」
「話を聞かねばならんだろうなぁ…」
一難去ってまた…一難と、言ったところだろうか…ポルギさんとレンティス王が深くため息をついた。
すると、再び扉がノックされた。
ポルギさんとキロが扉に向かい対応し、今度はすぐに扉が閉められた。
「どうしたの?キロ――――」
先程とは違う雰囲気に気になり聞くと…。
「荷物を持ってきた少女が目を覚ましたそうです――――そして、自分はコレジカ侯爵家のメイドだと…言っているとか…」
「身元が分かっているなら話は早いじゃないか」
ロミ様は荷物を持ってきた少女の身元が分かり事件は解決に向かっていると確信したのか、カップに残っていた紅茶を飲み干した。