❇️片暉の残照❇️
第21章 嫉妬の炎
「メイド――――…さん…なんですか…」
私は、コレジバ侯爵家のメイドと聞いて胸がギュッと締め付けられた。
――――まだ…あのメイドさんに…渡せていないものが…ある…。
「テイス――――…今日は色々と大変だっただろう?植物園の周辺は道も荒れて帰るにも帰れないだろう?怪我もしているし、泊まっていきなよ。君の部屋はあのままにしてあるし、気兼ねなく滞在するといい」
ロミ様が「いいですよね?」と、レンティス王を見ると王は微笑み首肯く。
「私は屋敷に戻るが、メルトはしばらく滞在するだろうし…一緒にいてくれ。屋敷はバタバタしているだろうから…甘えさせてもらいなさい」
お父様がソファから立ち上がると、お兄様の肩に手を置くと「ね?」と、目配せする。