❇️片暉の残照❇️
第21章 嫉妬の炎
「バラ……また…沢山見れると…いいなぁ」
窓を見ると…焼けて崩れた植物園があった方を見てしまう。
「テイス様――――…あのバラの…発祥の地を貴女に見せてあげたい…」
ポルギさんは私と一緒に窓を見たが、その視線は遠い空の向こうだった。
「――――お母さんの…見た景色…ですか?」
ポルギさんは少し驚いた顔をしてから、優しいし目で再び空をみた。
「行きたいです――――…お母さんの見た景色を見るのが…夢なので」
「…夢?」
そう――――私がハジロ公爵家に来たのは…それが見たかったから…。