
❇️片暉の残照❇️
第22章 香油と裏切り者
「はい――――ここまで、テイス様ずいぶん上達されましたね」
「ありがとうございます」
王宮のダンスレッスンを受けていた私は、日頃使っていない筋肉が悲鳴をあげるのにもなれてきていた。
「できれば、軽めのストレッチをしてからお帰りになられるのをお勧めいたします」
「はい」
激しい動きでは無かったにしても、ダンスが苦手な私としては…丹念にストレッチをした方がいいだろうなぁ。
すると、レッスン室の扉が開いた。
「おう、少しは上達したか?」
「サンドラ様!?」
ストレッチをしようと気を緩めていたのがシャキッとする!
「ど、どうされました?サンドラ様?」
「近くを通ったからな――――…ん?もう終わりか?」
「はい!今日のレッスンは終わりです。ストレッチをしてお兄様に挨拶をしてから帰ります」
「ふ~ん…ってことは…ロミのところか」
