
❇️片暉の残照❇️
第22章 香油と裏切り者
「おや――――…珍しい方もいらっしゃるとは…」
「サンドラいらっしゃい」
お兄様が少々睨み付けながらサンドラ様を向かいいれると、ロミ様が満面の笑みで手を広げる。
「ケッ、相変わらずメルトは俺を警戒してるなぁ」
お兄様が…サンドラ様を何故警戒しているのは沙汰かではたいけど…一緒に来た私の隣をいち早くキープする姿に「?」と、小首をかしげる。
「サンドラ、ロミはこの歳にして妹を授かったんだ、シスコンに目覚めても仕方のないことだよ」
――――お兄様…シスコンなの?
ロミ様の驚きの言葉に私もサンドラ様もお兄様を見る!
「シ、シスコンとは失敬な!妹に変な虫がつくのは困るので――――!」
「変な虫って俺のことか!?」
「ハハハ////大丈夫、俺も邪魔虫の一人に入ってるから」
そう言うと、ロミ様は公務の手を止めて、お茶の準備をお兄様に促す。
