❇️片暉の残照❇️
第22章 香油と裏切り者
彼女を連れて屋敷に戻ると、一緒にお茶をすることにした。
「あ…あの…///」
案の定、彼女は戸惑ったていたが…あのままサヨナラだけはしたくなかった。
「あの時はハンカチをありがとう――――私…貴女にハンカチを返したかったんだけど…タイミングかなくて…」
私は彼女のハンカチとお返しにと買っていた香油を渡した。
「///えっ――――香油?」
「肌荒れに効くと言うのを選んでみたんだけど…気に入っていただけたら嬉しい」
彼女はハンカチと一緒に渡させた香油に目を輝かせた。
「///わざわざ…ありがとうございます――――…ここを離れる前に……いい思い出が出来て///良かったです」
――――ここを…離れる?
その言葉に、ふと…彼女の足元にある荷物に視線が向く。