❇️片暉の残照❇️
第24章 王位継承者
「なんて行儀のなっていない――――…、自分に出されたお茶を…事もあろうに大臣に差し出すなんて!わたくしこんな失礼な子見たことなくてよ!」
ネール様は卑しい者でも見るかのように私を睨むと、扇で顔を隠した!
私の、突拍子もない行動に一同は驚き――――…顔を見合わせた。
が――――
ロミ様が、私のお茶の中に浮かぶ紫の花びらに気がついた。
「――――まさか…」
そう言うと、自分のお茶を掴み席を立つと――――…
庭園の噴水に、手にした紅茶を注いだ!
すると――――…噴水の中で優雅に泳いでいた“ニシキ”と言う魚が暴れ…噴水の壁に頭を打ち付け始めた!
「――――これは?どういう…事ですか?大臣」
ロミ様は普段優雅に泳ぐ“ニシキ”が狂ったように頭を打ち付け泳ぐ姿に青褪める!
「ちょ――――…ロミ様!“ニシキ”はとても繊細な魚ですよ!その中に紅茶を入れたら!そ、そうなりますよ!恐ろしい」
大臣は私から距離を取ると――――…紅茶は“ニシキ”には毒だと言う。