❇️片暉の残照❇️
第24章 王位継承者
「は?“ニシキ”は繊細な魚なのは知っているが――――…紅茶で錯乱するなど聞いたことないぞ…。それに――――“ニシキ”はニホノ領の名産魚…色を鮮やかなにするために、その餌に茶葉を使うこともあると聞く……が?」
頭を打ち付けのたうち回る“ニシキ”は自分の体を十分痛め付けると…おとなしくなった。
すると、今度はサンドラ様が自分のお茶を持ち…庭を見渡す。
と、庭を手入れしていた庭師を奥で見つけた。
「そこの庭師――――…喉が乾いているだろう…これをお前に…それと――――お前の身は保証する」
そう言うと、サンドラ様のお茶を庭師にあげてしまった!
「キャァ!サンドラ様――――そんな!」
私は、毒かもしれないお茶を使用人に与えたサンドラ様の行動に悲鳴を上げた!