❇️片暉の残照❇️
第4章 お兄様と義理母
王都までは馬車でも丸3日もかかってしまうが、前回2泊も夜営をしたので懐かしく感じた。
しかし、領土が王都まで3日もかかってしまうとなると…頻繁には帰ってこられないのでは?と寂しくもなる。
「テイス様…王都の門が見えてまいりました」
ニコルに声をかけられ、馬車の外を見ると、想像よりも大きくて迫力のある門に「うわぁぁぁ~」と、声を出し見上げた!
「ハハハ、新鮮な反応でこっちまでワクワクしてしまうなぁ~。初心を忘れるところだったな……やっぱり、王都の門は規模が違うな!」
お父様は久しぶりの王都の門に「やっと着いた…」と安堵していた。
「ここから王都でございますが、我々が向かうのは、農村地と城下町の先にある貴族街でございます。ハジロ邸はその貴族街の一画に屋敷がございます。お兄様であられるメルト様が王宮でお勤めでございますのでその関係上、多少王宮に近い場所にお屋敷をもうけさせていただいております」
執事のジムが門を入っても景色が変わらない事にキョロキョロしていた私に説明をしてくれた。