❇️片暉の残照❇️
第24章 王位継承者
「――――そう…この方は、レンティス王
とティアナ様の間のお子。この国の正当な王位継承者――――テイス・ゴルドガ王女様だ」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ポルギさんが声高らかに宣言すると――――…レミ様は頭を抱えて発狂した!
「なぜ――――そんな事はあり得ない!王は子を成せぬ体!何度も何度も王宮医師の診断で――――…だから!だから私は王の婚約者を降り…自らの可能性を再度構築したのです!!キャロルを排除してまでも!!!」
発狂し頭をかき毟(むしる)姿は…恐ろしく近づき難いものがあった!
ネール様はそんな母親に恐怖を感じたのか――――尻餅をついたまま後退りをする。
「…わたくしが手に入れられなかったレンティス王と――――…仲良くしている姿が…気に入らなかっただけですわ…。
たまたま…新たな薬草の情報を得て――――ミュトロン領に行った際に…レンティス王とティアナの姿を見かけましたの――――…
今にも死にそうな顔色をしていた王が……顔色も良く楽しそうに歩きながら話をしている姿を見て――――…許せなかった…
だって――――王はわたくしのモノでしたのよ?それを…あの女は横取りしようとしていた!許せるわけないでしょ?
子は出来ないにしろ…レンティス王の愛は…わたくしに与えられるものですから――――…ティアナは邪魔したのです!…わたくしとレンティス王の愛を!」
フラフラと揺れながら私を睨むレミ様の眼光に私は迫力負けをしていた。