❇️片暉の残照❇️
第25章 父と子
「え――――…え?」
「テイスの左目――――…もう、隠さなくて大丈夫…眼帯を外してごらん?」
お兄様が私の眼帯に触れる――――が、私は反射的に眼帯をかばう!
「ダメ――――です…、怖いです。皆さん…気持ち悪いと…言います」
私は眼帯を押さえお兄様と距離を取る。
「テイス――――…」
それを見たレンティス王がそっと私の前に進み…目線を合わせるためにしゃがむ。
「テイス――――…その左目は“王色”の黄金だと聞いた……多分、ティアナが平民として生きていくお前が苦労しないように、もし王族に見つかっても悪用されないようにと…隠しておくようにと――――言ったんだろう…///彼女は君を大事にしていたんだね」
柔らかく笑うレンティス王に…何故かお母さんを思い出す。
お母さんも――――私の名前を呼ぶとき…こんなに優しい笑顔だった…なぁ…。
『テイス――――…貴女の名前……凄く悩んだんだけど…貴女のお父さんから少しヒントをもらったわ……貴女の名前を呼ぶ度に――――あの人を思い出せるように…』
――――あっ…忘れていた…