❇️片暉の残照❇️
第25章 父と子
「その笑いかた……」
私は変な笑いかたをレンティス王に見られたと思い口を手で塞ぐ!
しかし、レンティス王は「アッハハハハ!」と、笑いだす!
「笑い方まで――――…ティアナと一緒とは…参ったな!」
「え?そんなに似てますか?」
嬉しそうに笑うレンティス王が、どれほどお母さんを愛していたのか伝わってくる。
「お母さんも――――…お父さんのこと…ズーっと、愛していましたよ…」
私は再び抱き締められると、お父さんの温もりを感じ――――また、泣いた。
「感動の再開のところ――――…お邪魔するぞ」
すると、レンティス王の執務室の扉が開き…銀髪の中年男性が入ってきた!
「お待ちしておりました――――ジルベルト様、リューク様」
それは、成人の日にレストランで出会った、前王弟のご子息で王位継承第4位のジルベルト様だった!
ポルギさんが二人を部屋に入れると、サンドラ様とロミ様も口喧嘩がピタリと止まった。
「成人したにも関わらず…うるさい奴らだ――――…“王色”の自覚を持て!」
渋い声で、サンドラ様とロミ様を叱責すると、王より遠い場所にあるソファに座った。
「――――父上…」
「ジルベルト…おじ様…」