❇️片暉の残照❇️
第25章 父と子
「ハッハハハ――――迷惑など…この王宮内部で大いに蔓延していた、お前の妹の件も――――薄々…仕組まれたものと察していた、しかし――――レンティスとの間に子がいたとは…驚きと言うか奇跡というか…」
後ろで涙をこぼすリューク様を優しい目で見るジルベルト様に…私は二人の絆を見た気がした。
「あ…あの――――…テイスと申します……リューク叔父様と呼んでも構いませんか?」
私はレンティス王の腕のなかでボロボロと泣くリューク様に恐る恐る聞く。
「――――そ、それは…心の…準備が…」
「テイス様、こいつは意地っ張りだ…長年、ティアナの事を恨んでいたし…実家の男爵家も好いてはおらぬ――――…幼い頃からコンプレックスの塊をしょいこみ…こじらせてしまった――――哀れな男だ…徐々に距離を詰めたらいいだろう」
私を見て、動揺していたリューク様の代わりにジルベルト様が頭を下げた。
「――――あっ、はい!私も…さっき…レンティス王が父だと判明したばかりなので……ヘヘヘ――――ゆっくり…理解していけたらと思っています」