❇️片暉の残照❇️
第4章 お兄様と義理母
「///――――テイス!…テイス…」
お母様は私を抱きしめると“嬉しい”をからだ全体で表してくれた。
私は戸惑いながらも、その思いにグッと胸が締め付けられそうになる。
「ありがとう…ございます」
抱きしめられながら、お兄様を見上げると眼鏡の奥の瞳が柔らかく微笑んだ。
「私も――――待っていたよ…テイス」
お兄様は私の頭を撫でると「さ、ここでは何ですし…」と、私たちを屋敷に入るように促した。
お母様は私の手を握ると「そうね」といい一緒に屋敷に入ってくれた。