❇️片暉の残照❇️
第4章 お兄様と義理母
「お、お兄様は、王宮でどんなお仕事をしてらっしゃるの?」
私は眼鏡が光るお兄様の顔を覗き込みながら聞く。
「///お、俺は――――…王弟様のご子息の側近をしているんだが、まぁ…仕事内容は…相談役?知恵袋?なんて行ったらいいのか…改めて説明しろと言われると困るな。
昔からの知り合いだったし、歳も近いことから本人から直接頼まれたんだ。まぁ、腐れ縁の延長を余儀なくされている…ってのが現状だ」
「もう、メルトさんったら――――そんな言い方はお止めなさい…、あの方のお側で公務に携われるなんて誉れなことですよ」
お母様が、お兄様の砕けた言い方に呆れ顔で注意をするも、その表情は本気で注意をしているようには見えなかった。
「え――――っと、お兄様とその方は…仲がよろしいのですね」
「まぁ……そうだな――――こんな物言いを許される仲ぐらいには…かな?」
冷静でクールに見えるお兄様の目がクシャリと縮まる。