❇️片暉の残照❇️
第5章 お茶会と宝物
「お嬢様――――領土邸では愚弟がお世話になりました。私、王都邸の料理長を任されております、リゲルバともうします。弟共々よろしくお願いいたします」
丁寧な挨拶にスマートな体型に柔らかな物腰…あのムキムキ大男の――――…ミゲルバさんのお兄さん?と、疑うほどの綺麗な方!
「あっ、///はい――――よ、よろしくお願いします」
リゲルバ料理長は私の驚く顔を見てクスクスと笑いだした。
「あの大男と本当に兄弟か?って思っていらっしゃいますね?――――残念なことに本当に兄弟なんですよ、ミゲルバは父に似たんでしょうね、ちなみに私は母似でございます」
ミゲルバさんは長身の筋肉ムキムキな大男!しかし、お兄様であるリゲルバさんは長身で男性なんだけど……女性みたいな見た目である。
「お姉様…じゃ――――…ないんですか?」
「///フフフ、これでも身体の作りは男性なのよ?――――見た目や心は女性ですけど…驚きました?」
リゲルバさんは口元に長い綺麗な指を添えてお上品に笑う。
「――――いえ…一石二鳥とはこの事でしょうか?!」
私は男性と女性をどっちも持っているリゲルバさんを“お得だ!”と、思い…つい口からでポロリと出てしまった。