❇️片暉の残照❇️
第5章 お茶会と宝物
「行き遅れって――――…メルト様は王宮のお仕事が忙しいだけで、出会いがあればすぐでしょ?」
ミーナ様はカボチャのキッシュを選びながらお母様にウィンクをした。
「言い寄る貴族も多いみたいだから、気を付けないとね…」
キャサリン様は大きくため息をつくと、牛肉とキノコのキッシュを皿に取った。
「ちょっと、貴女たち…私の選んだサンドイッチも食べてよ――――…ふわふわパンとクセの少ないハーブのサンドは新作よ?」
「///ローラ怒らないで、ちゃんと食べるから――――…」
少し、冷めた紅茶が気になった私は席をたちお茶の手配をメイドさんに頼む。
「それと――――…サンドイッチに会うスープを厨房に頼んできます」
私はそのまま、サロンを出ようとしたがお母様に呼び止められる。
「テイス――――あなたがいかなくても…」
「すぐに戻ります。お母様は楽しんでください」
せっかく気の知れたお友だちとの時間だ――――私がいたら言えないこともあるかもしれない。