❇️片暉の残照❇️
第5章 お茶会と宝物
リゲルバさんが教えてくれた噴水のある裏庭は領土邸のバラ園が移動してきたかのような素敵な場所だった。
「///うわぁぁぁ…秋に咲くバラたちが…いっぱい!」
小さめのバラではあるが、沢山集まると大輪の花びらをつける“ティアラ”に負けず劣らず見ごたえのあるものだった。
「――――?」
そのバラの中を歩いていると…そのバラの前に立っている人を見かける。
「――――あ…の…?」
邸の者だと思い声をかけると、その人はバッと振り替えった。
「あっ――――」
「君…」
振り返った人を見て私はハッと息を飲んだ!
それは、領土邸のバラ園で会った――――商人の青年だったからだ。