❇️片暉の残照❇️
第6章 植物園と銀の狼
「――――はい…、王族御用達の植物園に行くには、細かい決まり事や手続きがあると知りました。本当にごめんなさい――――お兄様の立場もありましたのに…」
お兄様は私の手を取り「大丈夫だよ」と、笑ってくれた。
「植物園に行きたいなんて――――…聞いたときには本当にビックリしたよ、あそこの存在は王宮でも一部の方々の///ご愛用場所でもあるから…」
「ご愛用…場所?」
私は“ご愛用”の意味が普通の意味であると思い――――思い入れのある人が独占しているのかな?と、思った。
「行きたいと要望を出しても――――当日、王族の“ご愛用”が出来たら…出ていかないといけないんだ」
「そうでしかた――――…残念です」
「それで…王族御用達の植物園とは行かないが、それなりの植物保有がある城下町の“リンデル植物研究所”に行ってみないかい?」
「植物…研究所?」
聞きなれない場所に私は首をかしげる。