❇️片暉の残照❇️
第6章 植物園と銀の狼
「その時は、執事見習いの“キロ”がいつて来てくれました。彼は剣術や武術の鍛練も優秀らしく、護衛役にもなってくださいました!」
「あぁ――――キロか…彼は執事長のバキエも一目おいているからな…いい選択だ」
お兄様は一緒に行けないことをとても残念がっていたが、研究所への訪問依頼などしてくださると言ってくれた。
「気をつけて行ってくるんだよ?新しい植物との出会いがあればいいね――――って、テイスは食べられる植物の知識が欲しいんだったか?」
「///ヘヘヘ…すみません…俗物的な考えで」
お兄様は私の左目にかかるベールを撫でると「無茶はするんじゃないよ?」と、部屋を出ていった。