テキストサイズ

溺れるまでしたい

第1章 浮気心


カッコいい。だとか、好きだとか。

なんとかかんとか…

どこがいいのか分かんないこの男の事をよく好きになれたもんだ。


傑が足を止めた場所は、この前、この男と梨花先生がHしてた場所。

なんで、ここなのよ。

その扉をガラッとあけ、中に入ると、再び傑はその部屋の窓を開けた。


「え、なに?」

「お前の感想きかせて」

「はい?」

「探せば何かわかるから」


傑はそう言ってパイプ椅子に座って、あたしに視線を送った。

そしてあたしは言われた通り、開いた窓から顔を出し辺りを見渡す。

だけど何があるのかわからなく目を追っていると、


「え、…なんで?」


思わず漏らした声に、


「お前、ほんとにアイツと付き合ってんの?」

「…っ、」


その言葉に声を失ってしまった。

なんでアンタがそんな事、知ってるの?

むしろなんで翔先生と梨花先生が…


ここから見える位置。

丁度、保健室の真ん前だった。

ここは2階。

保健室は一階。

見下ろせるこの場所で、カーテンも閉めずに翔先生と梨花先生はベッドの上でお互い裸で抱き合っていた。


「で、感想は?」

「か、感想って、なんの?」

「そんなの言わなくったって分かんだろ。お前の男が俺の女とセックスしている感想」

「え?…梨花先生はアンタの彼女なの?」

「俺はそうと思ってる。梨花は知んねえけど」

「なのになんでそんな平気なの?なんでそんな余裕なの?」

「だって俺の方があの男よりセックス上手いから」

「はい?なに言ってんの?」


思わず振り返ったあたしに、


「だったら試す?お前もあの男としてんだから、どっちが上手いかわかんだろ」

「何言ってんのよ…」


小さく呟き、またあたしは視線を翔先生に向ける。

なんで。

なんでよ…

今日は予定あるって言ってたじゃん。

予定は梨花先生とセックスする事だったの?


そんなに梨花先生が好き?


ストーリーメニュー

TOPTOPへ