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溺れるまでしたい

第2章 好きな人


どれくらい時間が経ったのかもわからなかった。

騒ぎすぎて、夜中になろうとする頃、次々寝落ちしていく数人を見たあと、あたしも眠りについてしまった。

帰る気力すらなかったあたしはそのまま寝てしまっていた。


もぉ、電気すら消えて真っ黒な部屋。

抜け出して帰ろうかと思い、ガバンの中から携帯を取り出そうとした時、


「もぉ〜、だめだよタケル」

「大丈夫。みんな寝てっから。ほら、ここ気持ちいいだろ?」

「あ、いやっ、あぁん」


そのヒソヒソとした声に思わず伸ばそうとした手が止まった。

しかも、その声は聞き慣れた声。


亜美の声だった。


「濡れすぎ。舐めていい?」

「うん」


ペチャペチャと鳴り響く音。

声を押し殺して聞こえてくる亜美の喘ぎ声。


私達だけじゃない。

他にも何人か寝ている。

酔ってるせいか、みんなは起きようともしない。


暗闇だから、亜美はどこら辺にいるのかもわからないけど、多分近くだ。


どれくらい時間が経ったのだろうか。


「もぉ、無理。挿れたい」

「だめだよ。みんな起きちゃう」

「お前が声を出さなきゃいいんだよ」

「出ちゃうよ」

「もー俺むり。我慢出来ねーわ。挿れんぞ」

「あぁん、」


挿入したのだろうか。

亜美の声が少し大きくなった。

どうしよう、、

どうしよう、、


帰りたいけど帰れないよ。

亜美のこんなの、聞きたくない。



「お前、好きだな。人のセックスみんの」


背後からの声にビクンと身体を震わせ、身体を反対側に向けると、隣で寝転んでいる傑がクスクス笑い出した。


「見てないから。しかも暗いし見えないから」

「俺らもする?」

「しないから」

「あたし帰りたいの」

「帰れねーだろ。セックス中に邪魔すんなよ」

「だから帰りたいの。それに話してたらバレるでしょ」

「バレねーだろ。あんな喘いでたら俺らの声なんて聞こえねーわ。…ほら、やっぱり」

「ちょ、だめっ、」


傑の手があたしの下半身に伸び、パンツ越しに指が行き来した。


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