僕らのStoryline
第3章 手を取り合って
「ん?」
「え?」
阿部の右肩を叩いてしゃがむ。
今度は左肩。
「ねぇ、何やってんの?」
と、大きく口をあけて笑う。
「エヘヘ」
「もぉー、子供みたいなことしないでよぉ」
そう言いながら楽屋のソファに真っ直ぐ歩いて座った。
俺もあとをついていき隣に座った。
「なに?」
水のペットボトルを開けて飲む。
嚥下するたびに上下する喉仏が、いい。
いい、とは、いい!ってことだ。
「疲れてる?」
「う~ん。まぁね」
「収録も疲れるもんね」
「楽しいんだけどね、やってるときは」
彼はメンバーのなかで一番、メディアに出てる。
クイズ番組なんて多ければ週に2回とかある。
彼が培ってきたものが今、求められている、ということだ。
「今日は?」
「このあと?これで終わり」
「じゃぁさ、飯行かない?」
「え?」
思ってもみない!という顔だ。
「予定あった?」
「いや、ないけど…」
「じゃぁ、行こうよ」
スタッフ「宮舘くん!次いいかな?」
「わかりました!終わったら待ってるから」
それだけ言って楽屋を出た。