僕らのStoryline
第3章 手を取り合って
ちょっと、強引だったかな…
カメラの前でポーズをとりながらカメラマンの向こう側にいるメンバーを遠くに見つめる。
カメラマン「宮舘くん!もうちょっと笑って!」
カメラマン「カッコいいです!めちゃくちゃいい!」
このカメラマンさんはとにかく褒めてくれるからこっちは気分がのってしまうんだよなぁ。
カメラマン「ラスト、好きな人のこと思い浮かべて…そう!いい!もう一枚!はい!ありがとうございました!」
撮ってくれたものをモニターで確認する。
「結構、撮りましたね」
カメラマン「いい顔してくれるからシャッターたくさんきっちゃいました!」
「…」
一枚の写真に目を奪われる。
カメラマン「阿部くんもいい顔ですよね」
「そうですね」
カメラマン「好きな人思い浮かべてって言ったらこんな可愛い顔するんですよ」
「好きな人…」
カメラマン「宮舘くんもいい表情ですよね」
「そうですか?」
カメラマン「これ、誰か浮かんでますね…」
「もちろん!愛するファンのみんなを!」
カメラマン「言うと思った~!そういうことにしておきましょう!」
楽屋に戻りながら考える。
俺は阿部の顔を思い出した。
だけど、阿部は?
俺だって分かる。
さっきの一枚は見たことない顔をしてた。
阿部にあんな顔をさせる奴がいるなんて。
「おかえり」
「うぉっ!」
気がつくと楽屋についていた。