僕らのStoryline
第3章 手を取り合って
「なんか、阿部ちゃん…」
「ん?」
ラウールが雑誌を手に取り読んでいた。
「こんな色っぽかったっけ?」
「どれどれ?」
ふっかがその声に反応して身を乗り出して雑誌に目線を
落とす。
「あざといね~!佐久間!あざといぞ!!」
佐久間がピョコピョコ寄ってきて雑誌を覗き込む。
「これはっ!!!」
阿部の両手首を掴み叫ぶ。
「あざとい警察ですっ!!!逮捕ぉ~~!!!」
「なんでぇ???」
変わらずニコニコしてる阿部。
それをみんなで笑う。
いつもと変わらない楽屋で、いつもと変わらない俺たち。
ふと阿部と視線がぶつかった。
阿部はふわりと笑った。
「逮捕やね」
気がつくとこうじが俺の隣にいた。
「逮捕?」
「だって、あんなに可愛く笑うのに雑誌では色気ムンムンって…かなわん!!」
「そうだね、」
こうじは分かりやすく、拗ねてます、って顔をしながら目黒に寄って行った。
敵わない。本当に。
あんなに可愛い顔も、色気のある顔も色んな顔があって。
「どれが本当の阿部ちゃんなの?」
「えっー!どれも俺だよぉ」
一番大きな末っ子が阿部の肩に腕を回してる。
「この顔なんて…もう、エチエチだよぉ…僕見れないっ!!」
と、言いながらがっつり見てじゃん。
広げて置かれてる雑談に視線を落とす。
これは…
「こんな顔して…やっぱり逮捕だぁーーー!!!」
佐久間に両手首を掴まれている。
この顔は…
阿部に視線を送る。
気づいたのか阿部が俺を見た。
俺は首を傾げてウィンクをした。
阿部は顔を真っ赤にしてアワアワしだして。
「なに?どうした?」
「顔真っ赤だよぉ~」
みんなにからかわれてる。
あの顔は俺のこと考えてたんだよね?
俺が阿部にどんどんハマってくように、阿部にも俺のことをもっともっと好きになってもらいたい。
「だて、なんて顔してるん?」
いっらしゃいませ、お姫様。
end