僕らのStoryline
第6章 鳴り響く恋の音
明日もめめと会う。
何を着よう。
クローゼットを開けてハンガーラックにかかる服を出す。
「これは着たし…あのシャツにするか…」
めめに会う前日はいつもこうなる。
何を着ようか、迷う。
靴下とバックの色を合わせるか。
それとも鞄に遊び心をいれるか。
「えー、どないしよ…」
ベットに仰向けに寝転がる。
寝る前にスマホは見ないようにしていたのに。
“明日、よろしくね”
なんて、メールがきたもんだから。
“任しとき!”
“なんか、きゅうに不安になってきた”
“なんでや!そこは素直にありがとうこうじくん!やろ”
“ありがとう、こうじ”
「ホンマに素直になっとるし…」
こうやって、急に素直に返事がくると舞い上がってしまう。
“大好き♡が、抜けとるで!”
お茶らけて返すしか俺には出来ない。
“会ったら言うわ”
「なんやねん、それ…」
“期待しとくわ!”
もうこれ以上メールなんてしてたら、俺の心臓は持たない。
スマホを伏せて置いた。
「好き、なんて…」
言われるはずがないと分かってるつもりだ。
売り言葉に買い言葉じゃないけど、同じようなもんだ。
だけど、もし…
あの垂れた瞳が
俺を見つめて
あの甘い声で
俺に好き、って
「しんどっ」
早く、めめに会いたい。