僕らのStoryline
第7章 天使のしわざ
「…」
「おい、どうした?おい!さ・く・ま!」
「ねぇ、この人だれ?」
新しく発売されるサイダーのCMに出てきた男の人。
金髪でとにかく足が長い彼。
「最近、テレビでてるよね、名前なんだっけな」
「雑誌の表紙にもなってるよな」
「この人、人間?」
「人間って聞いてる時点で人間じゃん!」
ひかるやふっかたちが笑ってるけど、俺は全然笑えない。
テレビの中にいる彼に、俺は心を奪われてしまった。
それから、俺は彼について調べた。
名前 ラウール
年齢 非公表
身長 188センチ
特技 ダンス
趣味 お散歩
なんも、わかんねーけど、これだけは言える。
お散歩って。なんで、お、つけんの?
可愛い。
そんでもって、カッコいい。
「なに見てんの?」
昼休みにみんなで屋上で弁当広げて食べていた。
俺は、弁当よりも今日の12時30分に解禁になる映画の予告が気になりすぎてて携帯を見つめていた。
「あ、これラウールじゃん!!」
「知ってんの?」
「知ってるも、なにもすげぇテレビ出てるじゃん」
「なに?なんのはなし?」
「ラウール!駅にでけぇ看板あるじゃんー」
「あー、映画やるんだよね」
「そう!それの予告がアップになるんだよね、早く見たくて」
「珍しいね、さくまが芸能人のこと気になるなんて」
「気になるっていうか、」
「気になりすぎてて授業聞いてないよね」
「俺にも見せて?」
あべちゃんが俺の隣にきてくれた。